施術内容

手術をしたくない方へ

弾性ストッキング圧迫療法

弾性ストッキングは医療用のストッキングで、足首側の圧力が一番強く、上に行くに従って段階的に圧が弱くなる設計で、あしに適度な圧力を与えることで、余分な水分がたまることを予防して、血液の流れを助け、静脈の働きを補助します。下肢静脈瘤に対して使用すると、治るわけではありませんが、病状の進行を遅らせ、現状維持を目指すことが可能となります。逆流はあるが、治療を受けるほどではない方におススメです。

ただし、誤った装着の仕方をすると、効果が得られないだけでなく、トラブルを招くことさえありますので、着用に際しては、十分に説明を受ける必要があり、医師や弾性ストッキングコンダクター(有資格者)が症状に合ったものを選んで、ご提案させていただきます。

弾性ストッキングの装着手順

  • 弾性ストッキングに手を入れて「かかと部分」を内側からつまみ、そのままストッキングをひっくり返します。
  • かかとを下側にして両手の親指で左右に押し広げ、そのまま足先から一気にかかとまで挿入して、かかとの位置を合わせます。
  • 裏返ったストッキングの端を持って足首からふくらはぎ、膝と少しずつたくし上げながら履いていきます。

※普通のストッキングのようにかかとのところでたわませながら履こうとすると、弾性ストッキングは生地の伸びが悪いため履きにくくなります。裏返して少しずつたくし上げながら履きましょう。

※脱着時はずり下げず、弾性ストッキングを裏返すように脱いでいきます。

装着時の注意
  • しわができないように均一に履く。
  • 折り返して装着しないこと。
    ※局部的に強い圧がかかり、痛みの原因や血流障害を招く可能性があります。
  • 伝線すると圧迫圧を得られなくなります。
    ※手の肌荒れ、尖った爪やささくれ、鋭利なものに気を付けてください。
  • 足先をはさみで切る、伝線した部分を縫うなど、加工や修理を行うと適切な圧迫圧が得られなくなります。

運動療法・体操

下肢静脈瘤が軽度の方は、下肢静脈瘤の原因がなくなるわけではありませんが、運動療法や生活習慣の改善を継続して行うことで、病気の進行を遅らせることが可能です。

日常生活の中で意識する行動・運動

  • 毎日ふくらはぎの筋肉を意識して歩くこと
  • 太り過ぎで腹圧が高くなり、下肢静脈瘤の原因になりますので、気をつけること
  • ハイヒールは控えること
  • 体を締め付けるような下着も避けること
  • 立ち仕事の方は、1~2時間に一度休憩を取り、その際に足を少し高くして休むこと
  • 立ち仕事中も棒立ちはできるだけ避け、ふくらはぎの筋肉を意識して、足踏みをしたり、爪先立ちをすること
  • デスクワークなど、椅子に座っている時に長時間同じ姿勢を取り続けないようすること
  • 就寝時には足を体より少し高くすること

これらの事は、下肢静脈瘤の予防にもつながります。

症状改善体操を日常に取り入れる

下肢静脈瘤の症状の改善には体操も有効です。体操によって、ふくらはぎの筋肉が収縮し、血液を押し上げる働き「筋ポンプ作用」が促進され、足に溜まった血液が心臓へ戻るのを助けます。手術などの治療をしたくない方は頑張ってください。

効果的な体操タイムは午後から夜にかけてです。就寝中は重力の影響を受けないので、午前中のうちは、静脈のコブやむくみが気にならないことが多いと思いますが、午後からは重力の影響が症状として徐々に現れてきます。特に夕方から就寝までが症状のピークになりますから、昼頃から夕方に体操を行うと効果的となるわけです。あと、毎日続けることが大事なので、毎日、長時間体操をやろうと思ってもなかなか続きません。少しずつでも継続を心がけてください。また、体操をしても下肢静脈瘤の症状が改善しない場合もありますので、早めに専門医を受診しましょう。

つま先立ち体操

仕事中でもできる体操ですが、転倒しないように、壁に手をついたり、何かにつかまってしましょう。背筋を伸ばして立ち、背伸びをするように両足のかかとをゆっくりと上げ、つま先立ちをしたら元の姿勢に戻すを10回繰り返します。さらに足踏みや屈伸を1時間に一回行うとより効果的です。

足をバタバタする体操

デスクワークの方は長時間座ったままですので、座ったまま行う体操がおすすめです。やり方は、まず、椅子に浅く腰掛け、背中は背もたれにしっかりつけて、足を肩幅に開き軽く前に伸ばします。かかとは床につけたまま、つま先をゆっくりと手前に引き、次に前へ伸ばすのを10回繰り返し3セット行います。慣れてきたら、ついでに足首も回してみましょう。先ほどと同じ体勢から、つま先で円を描くように5回ずつ3セット行います。

寝たまま手足あげてブルブル体操

寝たまま行える体操です。床に対して両手両足を(できない場合は足のみ)天井に向けてあげます。あげた両手両足をブルブルと小刻みに震わせ30数えます。これを3回繰り返します。昼、夜の1日2回

足のマッサージ

足のむくみを和らげる効果が期待できます。リンパマッサージの要領で、太もも、ふくらはぎの順番でたまったものを下から上へ流し込むようにマッサージします。力はいりません。さするように優しくすることがポイントです。