施術内容

わきが・多汗症【保険診療】

保険適用基準を満たせば、
ワキガは保険診療で治療可能です

わきがとは?

腋臭症(わきが・ワキガ)は遺伝や性ホルモン、毛量、精神的素因が関係していると言われ、脇や耳、乳輪、陰部などにのみ存在するアポクリン腺が原因となって、思春期以降に脇から特異な悪臭を放ちます。アポクリン腺から分泌される汗には脂質やタンパク質が多く含み、皮膚表面の細菌がこれらを分解することでワキガ独特のにおいが発生します。また、脇にあるもう1つの汗腺(エクリン汗腺)はサラサラで無臭の汗を分泌しますが、揮発性が高く、ワキガのニオイを周囲に運ぶ役目を担います。

一般によく『汗臭い』という言葉を使いますが、腋臭症(わきが)のアポクリン腺汗による『わきクサイ』と全身のエクリン腺汗による『汗クサイ』は異なりますのでご注意ください。これを混同してしまうと腋臭症(わきが)の治療によって汗をゼロにしないと気が済まなくなり、治療後の満足度が低下します。

わきの皮膚構造について

ここでわきの皮膚構造について理解しておきましょう。重要なポイントは3つ!それは2つの汗と自律神経で、この関連性がわかると、わきが治療の基礎がわかるようになります。

わきの皮膚は2種類の汗を分泌します。
1つはエクリン腺から出る汗で、全身から分泌されるサラサラのしょっぱい汗です。いわゆる『汗』とはこのエクリン腺からの汗を指します。この汗は無臭ですから、大量に分泌されても臭いの原因にはなりませんが、蒸発しやすいという性質があるため、臭い成分を周りに運んでしまい、臭いを分散させる役目にはなります。

もう1つはアポクリン腺からでる汗です。これは油分を多く含む汗で、これを皮膚にいる雑菌が分解することで、わきが独特のにおいが出現します。つまり、このアポクリン腺からの汗が、わきがの主役となるわけです。

また、この2つの汗をコントロールするのは自律神経で、温度・湿度などの環境変化、緊張や運動により汗をかくように命令を送ります。自律神経は、わきがにおいては、『わきが悪循環』を招く神経で、汗や臭いを増幅する原因となります。

日本人の10%が腋臭症(わきが)

腋臭症(わきが)は病気ではありません。放置しても健康上の問題はありません。東アジアでは臭いがある方が少数派のため、肩身の狭い思いをするのですが、欧米ではにおいをするのが当たり前で、一つの生理現象と認識されています。日本では約10%が腋臭症と言われていますので、もしわきの臭いがお悩みなら一度ご相談ください。

ワキガは遺伝します

ワキガは常染色体優性遺伝です。片方の親にワキガがあると子供の50%がワキガ になります。両親にわきがあると子供の80%がワキガになります。

ワキガの合併症

出血・血腫
出血や血腫を少なくするためには術後の安静が最も大切です。無理のない手術日程を組んでください。血腫は皮膚の細菌感染や皮膚壊死などの原因となり,創の治りを遅くする要因となります。
感染
細菌が術後創部に入り込むと,膿が溜まり創部の皮膚はダメージを受けます。汗は感染の原因となりますので、汗をかくような運動や入浴時に創部を濡らさないように気をつける必要があります。また、わき毛のムダ毛処理を毛抜きで行っている方はニキビや毛嚢炎などができている場合があり、そこからの膿が細菌感染を起こす可能性もあります。わきが手術前には毛抜きでムダ毛処理をせず、よく洗って清潔にしてください。すでに粉瘤などの出来物がある場合は手術と同時に切除が必要な場合もございます。また術後10〜14日くらいからは脇を石鹸でよく洗っていただく方が良いです。
どの手術でも皮膚の皺に沿った傷で、できる限り綺麗に縫合しますが、傷は必ず残り、ゼロにはなりません。一般的には術後3ヶ月目以降に白くなって目立たなくなっていきます。
ケロイド・肥厚性瘢痕
もともとの体質や感染を繰り返すことで傷が赤く盛り上がりケロイドや肥厚性瘢痕と呼ばれる状態になることがあります。その場合は手術後なるべく早期に治療が開始していくことが必要です。治療は圧迫やステロイド剤の局所注射、ステロイド含有テープなどの療法があります。真性ケロイドの場合は放射線療法を検討する必要があります。
色素沈着
脇はもともとこすれる部分ですので,色素沈着は術前から70%以上の方に認めますが、わきが手術後に色素沈着が一時的に強く起こる場合があります。通常、時間の経過とともに薄くなり,もともとあった色素沈着程度に落ち着いていきます。色素沈着が残りやすい方や早期に薄くしたい方はハイドロキノンクリーム塗布をお勧めしております。
粉瘤
手術によって裏から毛根部分を切除しますので、わき毛が刺さったままになって毛孔に沿って粉瘤ができてしまう人がおられます。皮膚の垢や脂がたまって黒い点状に残り、放置すると切除摘出が必要なくらい大きくなることもあります。術後残った毛は創部が落ち着いた後に一度に抜いてください。また、入浴時に良く洗うことが大切です。
しびれ
手術部位には細い知覚神経があり、手術によってこの細い神経も取らざるを得ませんから術後、知覚鈍麻や異和感などを感じることがあります。また、わきが手術後は圧迫固定が必ず必要になるのですが、脇の下にある太い神経を圧迫してしまうことがあります。その場合は肘から先に一時的なしびれが生ずることがありますが、通常、いずれも数ヶ月~1年程度で気にならない程度まで回復していきます。必要に応じてビタミンB12の内服を開始してもらうことがあります。

皮弁法・腋臭症手術(保険診療)

3~5cmの皮膚切開から、皮下を剥離して皮膚を反転し、腋臭症(わきが)の原因となるアポクリン腺を直接目で確認しながら剪刀(ハサミ)を用いて除去していきます。手術後は1週間程度の圧迫固定が必要です。

腋臭症手術(皮弁法)はこんな方におすすめ
  • 適用基準を満たす方
  • 一回で可能な限り効果の高い治療をしたい
  • ボトックス注射では満足できない方
  • 他院再発症例の方
  • 術後合併症やリスクについて十分理解している方
腋臭症(わきが・ワキガ)保険適用基準

腋臭症(わきが・ワキガ)の保険適用基準はニオイの有無ではなく強弱で判断します。

①鼻を近づけなくても臭う方
②鼻を近づけて臭いが刺激臭できついと判断した方
を中等度として手術適用とします。

わきが・多汗症 診察の流れ

問診
お悩みの症状や家族歴、治療歴について問診を取ります。
診断
ニオイ診断のため、わきにガーゼをはさんでもらいます。
治療説明
弁法手術は効果が高く実績のある治療であるため、適用基準を満たす方には推奨するワキガ治療の一つですが、色素沈着や傷跡等の副反応の可能性がゼロではありません。傷のできにくい他の方法も選択肢に入れた上で治療法を選んでもらうことが大切であるとの考えから、他のわき汗(わきが・多汗症)治療についても説明致します。
手術日程決定
ガーゼテストにて腋臭症(ワキガ)の程度が中等度以上と医師が判断し、皮弁法手術の希望があれば、採血(術前検査)をして手術日程を決定します。

施術時間

約60分

施術後の注意事項

手術後は1週間の圧迫固定が必要ですので、翌日より創部を濡らさない様にして胸から下のシャワーと洗髪は可能です。手術後は圧迫固定が必要です。腫れや内出血、つっぱり感や色素沈着、拘縮、粉瘤多発や皮膚壊死などの術後合併症の可能性があります。手術後2〜3日は安静が保てるように予定を組んでください。

施術料金

片側 20,610円
両側 41,220円

※自己負担額(手術費用のみ・3割負担の場合)
※全て税込価格です。